ちょっと伝わらないと思う話だと思いますが、私は小さい頃から「冒険」に憧れがありました。
「冒険」って探検や旅のみの冒険ではなくて何かに夢中になったりチャレンジしたりがむしゃらに取り組む事を「冒険」と捉えています。
子供の頃、夏休みに自転車で日本一周にチャレンジしている小学生のニュースを見たときに心のどこかで『羨ましいなぁ』と思った事を覚えています。
20代前半、ロングトレイルにチャレンジしたくなり四国八十八カ所巡りに出かけました。歩き遍路区切り打ちで3度訪れ18番恩山寺まで進みましたが、当時は中々連休が取れず4度目訪れることなく止まっています。結局、休みさることながら熱意も足らなかったんだろうと思います。
ただ、お遍路はすごく充実した経験であったので折を見て続きを始めようと思っています。
20代後半、妻と付き合っている時に屋久島に行って、レンタカーで屋久島1周を観光し、縄文杉、白谷雲水峡でトレッキングを楽しんだのですが、その帰りの空港で搭乗手続きの順番待ちをしている時に1人で並んでいた同年代の男性と世間話をしました。
その男性は前日、屋久島に入り今日の早朝から宮之浦岳という山に登って来て、さっき下山、今から飛行機で帰宅すると言う。
子供の頃の日本1周小学生に憧れた時の記憶がよみがえった。
私の中でこの男性も自転車小学生も「向こう側」にいる。
そして30代後半、槍ヶ岳でのテント泊を終えて下山中の河童橋。
私は自分が「向こう側」に来れた感覚になりました。
上手く言えないんですが、自分の中でテント泊登山は殻を破れた体験になったんです。
別にハードなバリエーションルートを踏破したわけでもなく、単に一般登山道を足を攣りながら歩いてテント泊しただけなんですが私には特別な経験となったんです。
この槍の山行が登山に本格的にハマる決めてとなり、当初の目的あった日本の標高トップ5に登ぼる予定は一旦置いとき、惹かれた山に登っていくようになりました。